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2004-10-20

ビブリオサライ 第1回セミナー

講師 大勝文仁さん(ライターズネットワーク元代表)

◆2004年10月19日 於:家の光会館 セミナールーム

 ビブリオサライでは2004年10月19日、ライターズネットワーク代表・大勝文仁さんを講師に迎え、セミナーを開催しました。
 大勝さんは、これまで編集プロダクション・ビッグペンを主宰し、著者として、編者として、ビジネス書・実用書のヒット作を生み、その多くがシリーズ化されてきました。昨年、プロダクション業務を社員に譲り、セミリタイア宣言。現在は執筆活動のほか、メルマガ『本を書こう。他では聞けないプロ達のマル秘ノウハウ』の発行人を務めています。
 セミナーでは 、これまでに多くのヒット作を手がけてきた大勝さんから、どうしたら≪売れる本≫を書けるのか、そのツボをお聞きしました。当日は台風の近づく中にもかかわらず、ご参加いただき会場も満杯、熱気あふれるセミナーとなりました。

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       「手にとるようにわかる、売れる本の書き方」講義録
                              
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ブログがビジネス社会を変えている

 最近、インターネットで話題になっている、といえばブログですよね。以前の日記サイトは、オタクみたいな人がやっている雰囲気だったけど、ブログになってタレントや人気作家がぞろぞろ始めた。
 ライブドアの堀江さん、マネックス証券の松本さん、インフォテリアの平野さん、サイバーエージェンシーの藤田さん、マイクロソフトの古川さん、eウーマンの佐々木かをりさん、GMOの熊谷正寿さん(かんき出版から『一冊の手帳で夢は必ずかなう』を出版されました)と、IT関係の社長もブログに日記を書いています。忙しいのによく書くなと思うんですけれど。
 なんで書くのかというと、推測ですが、会社のイメージアップ、個人のセルフブランド、社員がそれを読んで親近感を持つ、コミュニケーションの一助ということくらいだろうと思っていました。
 だけどこの前、ある雑誌に興味深いことが書いてあった。
 最近では、投資家が企業家のブログを読んで、投資判断の一助にしているというんですね。もちろん、会社の状況やバランスシートも見るのでしょうが、最近では、社長のブログを見て、この社長はなかなかいい考え方を持っているとか、夜な夜な遊び歩いているだけだとかを判断する。それで投資するかしないか、金額をいくらにするかを決めるらしい。これって、考えてみると恐ろしい(笑)ですね。
 企業家は、ブログを書くのにも気を抜けない、ということになってしまう。

ブログが引き起こす「1億総ライター化」

 本だったらゴーストライターに書かせることもできるけど、ブログというのは、なかなかそれはできない。せいぜい秘書に口述筆記させるぐらいのことで、どうしても生身の自分が出るわけです。ゴマカシがきかない時代になった、ということですね。で、そのブログが、その会社や経営者、社員の運命を左右するかもしれないのです。
 このブログの裾野が、今後、広がっていったらどうなるのか。
 近い将来、できるビジネスパーソンは、入社・転職・昇進・昇給・ヘッドハンティング、その他諸々、ブログでチェックされるようになる時代になるのではないか。そしてアントレプレナーも文章力が必須の能力になります。昔は文章のうまい人はライターになったけど、これからは経営者になるんです。
 何年か前にライターズネットワークで、インターネットというのは「文章のカラオケ化」だという話をしましたが、いまやカラオケなんていう道楽半分の域を越えて、その人の仕事や人生を大きく左右する要素になるんじゃないか。「文章のカラオケ化」といったレベルではなく、「1億総セミプロライター化」、あるいは「セミ」がとれて「1億総プロライター化」の時代が来るんじゃないか……。これは僕の妄想かもしれませんけれど(笑)。
 そうなると問題なのが、これまで「プロのライターです」と言っていた私たちですよね。僕みたいな年の人間はあとがないからいいですが、若い人たちはどうするの? この時代の大きな変革の中で消滅しちゃうの? ここは、真剣に考える必要がある。

消えるコピーライター

 周囲を見回すと、早くも崩壊しつつある分野があります。いわゆるコピーライターです。僕も学校を出て30歳になるまでコピーライターだった。30歳でフリーになり、33歳で会社を作ってからもしばらくコピーの仕事はしていましたからよくわかる。実際コピーライターの仕事が減っているという話は、よく聞きます。
 じゃあコピーの仕事は誰がやっているのかと、不思議だったんです。それが最近わかった。このごろ、セミナーや異業種交流会などで名刺交換をすると、コンサルタントという肩書きの人が非常に多い。いかにもキャリアがありそうなコンサルタントもいますが、なかには25、6歳の若い人が「コンサルタントです」といって名刺を出す。「こんな若い人にコンサルタントを頼む会社なんて大丈夫なのかな」と思うわけです。「どういうコンサルをやっているんですか」と聞くと、「人事のコンサルタント」とか、「販売促進です」という。
 でも、だんだんわかってきたんです。若いコンサルタントがやっていることは、僕に言わせるとコピーライターですよ。たとえば人事コンサルタントは求人コピーを書いている。販売促進のコンサルタントはスーパーのチラシのコピーを書いている。
 つまり従来のコピーライターという職業が、だんだんコンサルタントと称する人たちに移っていることがわかってきた。こうした人事コンサルタントは人事のコピーしか書かないし、販促コンサルタントは販促専門のコピーだけを書いているわけですね。
 従来のコピーライターは担当を与えられて、「今日からソニーの家電の担当ね」って言われると3日とか1週間くらいレクチャーがある。会社によって差はありますが、メカニズムやデザイン、商品コンセプト、他社との差別化とか、簡単なレクチャーを受けて「さあ書きなさい」と言われる。それで大丈夫だったわけですよ。コピーは、主に感覚的なアプローチだったから。
 でも、不況などでそういうのが通用しなくなって、専門化したコンサルタントがコピーライターに取って代わったという流れがあるんじゃないかな。

ライターはコンサルタントを目指せ

 でも、私はここに、単行本や雑誌のライターの生きていく道があるように思うんです。
 つまり、ライターには、単行本や雑誌でやってきた専門的な蓄積がありますよね。旅の本ばかり書いてきた人は旅のノウハウが蓄積されている。料理本ばかり書いてきた人は、料理のノウハウが蓄積されている。それを武器にして、コンサルタントになり、企業の仕事をする。
 ここにしか(というと言い過ぎですけど)ライターのこれからはない。それを狙うしか有効な方法はないんじゃないかという気がする。
 ライターズネットワークの金丸弘美・前代表はスローフードのことばかり書いてきた(『ニッポン東京スローフ-ド宣言!』『スローフード・マニフェスト』木楽社、『本物を伝える日本のスローフード』岩波アクティブ新書、『ゆらしぃ島のスローライフ』学習研究社、など)。それで、いつのまにかコンサルタント的なことをやっているんですよ。一番最先端なところに行ってるんですね。だから、金丸さんを見習うべき、これ、マジよマジ。
 それから会員の青山まりさんはブラジャーの本ばかり書いていて(『ブラの本。』サンマーク出版、『ブラ・バイブル』廣済堂出版、『ブラ美人』大和出版、『愛される人になるブラ作法』主婦と生活社)、いまや「ブラジャー研究家」という肩書きになっている。これでもうコンサルタントはできる。メーカーに行って企画出させてと言えば通用すると思いますよ。
 だから、金丸さんとか青山さんとかの、ああいう方向性はお勧めです。
 理想的にいえば、そこで生活の基盤を確保しておいて、それから単行本で勝負する。生活の糧のために単行本をやっているのは、悪循環に陥る危険性がある気がします。大ヒット狙いよりも、自分の専門性を確立するために単行本にアプローチすることが必要じゃないのかな。

自分の専門分野を確立すべし

 売れる本の書き方というのは何か、これしかないという話をしたいと思います。
 まず、自分の専門分野――仕事でもいいし、趣味でもいい、長年やってきたことでいいんですけど――、それから個性的体験のこと、ほかの人が経験しなかったことを、わかりやすく、あるいは面白おかしく、あるいはひねりにひねった企画を考える。
 そういう企画を10個考えて、それを出版社に売り込む。それでダメだったら、さらに10個考えて売り込む。ダメだったらさらに10個考えて……これを繰り返していくことですね。
 最近、流行っているテーマをまとめて企画書にする人もいるけど、考えるだけ無駄。もし、それが企画を通っても売れない。
 余計なことは考えないで、自分の得意分野、自分の代名詞になるようなテーマをどういう切り口で書くか、それをいくつも考える。そういうのが一番ですよ。
 最近は、出版企画のセミナーもいろいろあって、いろいろなことを言います。いろいろな手法があるけど、現実問題、特にほかに本業を持っていらっしゃる方は、週末くらいに集中してやるくらいしか時間がないわけですから、余計なことはやらないほうがいい。だまされたと思って、ここに集中してやったほうがいい。
 それがもしヒットすれば、シリーズ化される。だいたい売れたら、シリーズ化しようって話は出版社の方から言って来ます。
 そんな展開になれば一番理想的ですよね。
 個人の成功例としては、横田濱夫さん(某都銀の人でしたが)の『はみ出し銀行マン』シリーズが何十冊も出ました。この人も銀行マン時代の体験を暴露的に書いて(そんなに大した暴露でもないですけどね)出し続けた。この人が成功例ですね。

年上の編集者に誉められる企画は出すな

 最近では、『女子大生会計士の事件簿』シリーズ(英治出版)。女子大生が活躍する小説仕立てですが、要するに会計の入門書です。著者の山田真哉さんは28歳の会計士で、4作目で10万部突破、日本実業出版社からも別の本を2冊出しています。
 僕らの年代の感覚では、なかなかこういう企画は出ないですね。自分の専門をどういう切り口で書いてみようかと考えて、小説仕立てにして入門書を書いたわけですね。それに少女漫画みたいなイラストを入れたりして。
 僕の手がけた『手にとるように経済のことが分る本』(かんき出版)のときに、ゲラをもって牧野昇さんに監修をお願いしたんです。そうしたら、最初、牧野さんには「なんだこれは!」って言われました。「経済のことがわかる本はいいけど、こんなに簡単に書いちゃっていいの?」と。
 監修で自分の名前を出して、どこからかクレームが来ないかという心配をされたようでした。「わかりやすく書くのが狙いだから」ということを説明して、理解していただいたんですけど。
 もし、僕が出版社の編集部長で、『女子大生会計士の事件簿』の企画が出されたら、「ちょっとな」って思うでしょうね。でも、年上の人に受けがいい企画なんてよくないんです。
 僕もよく、出版企画を持ってこられるんですが、僕に誉められてるようじゃダメです。皆さんの年齢+10歳以上の人が喜んでいるようじゃダメ。僕が眉をひそめたり、えーって驚かすくらいの企画でないと画期的なものは出ないと思うんです。

企画を売り込むことを日常化せよ

 企画を考えるとき、それから売り込むとき、どういうことに注意すればいいかということをお話したいと思います。
 まず、一番目は今もお話したサプライズがあるということです。
 それから、書いた企画書はできるだけ人に見せて意見を聞く。プロでなくていいんです。友達とか、その辺の人でいい。それで、誉められたからといって喜ばなくていいし、けなされたからといってもがっかりする必要はない。
 ハレとケという言葉がありますが、出版企画を売り込むことが非日常的(ハレ)な感覚の人が目に付きますね。そういうふうにやっているうちはなかなか決まらないと思います。その活動が、日常生活(ケ)の中にどっぷり染み込んでなければ。

相思相愛の相手を探しなさい

 それと共通する話ですが、出版社への売り込みは美人コンテストではないんです。たくさんの人からオファーは、ないよりはあったほうがいいけれど、1人の編集者、1つの出版社と出会う、それで十分なんです。だから、恋人選びみたいな感じだと、僕は思うんです。
 今日いらしている中本千晶さんがやっておられる「企画のたまご屋さん」というのがあります。企画を持っていくと500人の編集者に一斉にファックスで流してくれます。興味を持った編集者が名乗り出て、その企画を詰めて出版されるというシステムです。
 自分ではなかなか時間が取れなくて、どんどん先延ばししてしまうくらいなら、こうしたところで売り込みをやってもらうという形で、滞らせずに、ある一定のスピードでやっていくのもいいのではないかと思います。

「企画のもちネタ300」をストック

 企画を誰かに見せて、「これはダメ」と言われても、企画書は必ず取っておくのがコツです。折に触れて、1年後なり3年後なりに見返すと、またそこから素晴らしいひらめきが出てくる。
 編集プロダクション時代、僕は自己紹介の最後に、「私は今、企画を300持っています」と言っていました。そうするとだいたい編集者はびっくりして、「今度またお会いしましょう」ということになる。
 この300というのは、20年間編集プロダクションをやっていたので、社員が作ったものも含めて企画書はいっぱいある。それを捨てないで、ファイルに綴じていたんです。
 それをコピーして簡易製本し、主な出版社に配ったことがあります。これはかなりインパクトがあった。パクられる可能性もあるけれど、それはいいんです。どうせもともと没になった企画ですから(笑)。
 古い企画書もファイルに綴じて、出版社に持っていけばいいんです。最初の企画がダメなときにも、「実は私、もちネタ100あるんです」といってそれを出すと、「これ、面白いんじゃないの」という話になることもありますから。

企画の売り込みは編集者のお助けマン

 ライターというのは、売り込むというのがみなさん苦手ですよね。この前もあるライターさんに、「あなたはキャリアもあるのだから、どんどん出版社を訪問したらいいじゃない」と言ったら、その人は「私は営業が苦手だから」と言う。
 でも、出版企画を持っていくのは、営業じゃないんですよ。出版社の編集者は出版企画を求めている。困っているんですよ。夜中に僕のところに電話をかけてきて、「何か企画はないか」と言う人もいます。よく聞いて見ると「明日9時から企画会議がある」とかで……もっと早く言えよ! って感じです。それは一部のサボっている編集者でしょうけど(笑)。
 そんな人に企画を持っていってあげるんだから、営業でも何でもない。お助けマンだと思って持っていったほうがいい。

ライターは編集プロダクションで生き残る

 僕は30歳までコピーライターだったんですが、それからフリーライターになり、コピーと出版の仕事をするようになった。2年やって、「ライターという仕事は長くやる仕事じゃない」と思ったんです。
 そこで、2つ道がある。作家になるか、編集プロダクションになるか。
 僕は作家になる自信は、米粒ほどもなかったですから、なんの迷いもなく編集プロダクションをやろうと思った。どちらが成功率が高いかといったら、3対7で編集プロダクションのほうが儲かるんです。それを、他の人は誤解している。
 「私は人を使うのは嫌だな」と言う人がいますが、僕だって使わないですむならそれに越したことはない。人を使うのが嫌だから作家の道を選ぶというのは、現実認識から外れているんですね、僕に言わせると。
 ライターは注文仕事。こういうテーマで取材してくれ、何か書いてくれという仕事です。作家は、注文もあるでしょうが、ある程度テーマが決まって、それを自分の名前で書いていく。でも、作家になるほうが難しいですよね。持続させることも難しい。
 編集プロダクションのほうがやさしい。それがわかっていない人が多い。これは僕の意見なので、違うという人ももちろんいらっしゃるでしょうが、これからのことを考えているライターには、編集プロダクションを「消極的に」勧めます。積極的に勧めて、あとで失敗して責任とってくれと言われたら困るんで。
 最初から人を雇わなくていい。でも、儲かってから社員を入れようなんて思っていると永遠に入れられません。それで、僕はアルバイト1人雇ったんです。
 自分の仕事のほかにも、アルバイトを遊ばせないように仕事をとってくる、僕の仕事分+彼の仕事分をとる努力をするんです。仕事は何でもいい、テープ起こしでも原稿の清書でも、簡単な取材でも。そうすると、僕の働いた分の付加価値+彼の付加価値が出てきます。それがうまく回るようになったら、もう1人入れる。そんなところから始めました。
 経営者と雇われる側との関係は、なんだかんだいっても最後はお金です。いくら「あなたは素晴らしい」とか「僕の片腕だ」とかいっても、払うものを払わなかったら、おかしいですよね。「こいつは使えるっ」と思ったら、賞与などは思い切って出すことです。僕は、かなり気前よく出してきました。でも、それがいいスタッフを揃える結果になったと自負しています。

集団でも企画、取材、執筆もあり

 別に本業を持っていて本を出したいという方でも、この編プロ方式をとることができると思います。最近は週末企業、週末ビジネスという言葉があるから、1人編集プロダクションを作って友達を集めて、自分が責任者になって、本の執筆をやることもできると思う。
 そのとき、共同グループというのは案外難しい。誰かがチーフになって、リーダーになってその下に何人かいるという形がいい。
 このグループができれば、集団で調べて書く、取材して書くということができる。そうすると企画のネタが一気に広がる。案外そういう企画は、書く人がいなくて苦労している。典型的なのが、『名所ガイド』『味の名店ガイド』みたいなもの。手足を使って書くものができれば、実用書、ビジネス書がどんどんできるわけです。
 そうすると、1人でやっているときより企画書がぐっと増える。それに、共著というのもいい方法だと思うんです。5、6人のグループで書くのでもいいし、2人でもいいですし、3人でいいですし。
 そういう編プロ方式にしろ、自分1人で売り込む方式にしろ、僕が一番お勧めするのが、5、6人で「本を出す会」を作って企画をお互い批評しあう。そこに編集者を呼んだり、一緒に売り込みに行ったりする。そういう形で、本を出す活動を継続的にやっていくのがいいと思う。最後に繰り返しになりますけど、一時的な熱病みたいなのではなく、継続させるということが大事なんです。

質疑応答より

Q:企画書はどの程度のものを書けばいいのか、教えてください。
 ともすると、みなさん長い企画書を書きます。長く書けばいいと思っているみたい。でも、企画書というのは必要最小限度がいいんです。ちょっと言い足りないくらがいいですよ。
 それとタイトルに気をつけること。企画書のタイトルがそのまま通ることは少ないのですが、編集者はタイトルが面白いものだと中もよく見ます。中身はすごくいい企画なのに、平凡なタイトルだったがために見過ごしてしまったということもありえますよね。
 枚数はA4で、せいぜい3枚くらい。これは僕の意見で、長いほうがいいという人がいるかもしれません。企画書だけ送るような場合、説明のフォローができないので、いろいろなことを書かなければいけないこともあるかと思います。

Q:企画を出してから、返事をどれくらい待てばいいのでしょうか?
 僕なんかもずっとほったらかされるんですけど、案外強気に言ってもいいと思う。「2週間以内にお願いします」とか、「1ヶ月以内にお願いします」とか。それで「いついつに会議があるからそれまで待ってください」と言われたら、そのとき判断すればいい。あまり遠慮することはないです。出版社は企画を欲しがっていますから。相手の会社の社風なんかもあるし、一概には言えないですけどね。(会場より「優秀な編集者は返事が早い」という声あり)

Q:企画を持ち込んだ編集者があまり優秀そうでなかったら?
 それは運ですからしょうがないですね。でも一見、ぼけっとしている人が素晴らしい編集者だったということもありますしね。ただ、1つ言えることは、完璧を求める編集者はダメっていうこと。逆に「こことここのポイントを押さえておいてください。あとは流していいですよ」という言い方をする編集者のほうがむしろ優秀ですね。

【講師プロフィール】
1972年立教大学卒業後、広告代理店を経てフリーに。83年、編集プロダクション・ビッグペンを設立。『手にとるように経済のことわかる本』『90分でわかる日本経済の読み方』(かんき出版)『こっそり読んで強くなる経済のしくみ』『図説行政のしくみがわかる本』(ダイヤモンド社)などのヒット作を生み、その多くがシリーズ化される。2003年、会社の業務を社員に譲りセミリタイア宣言。現在は執筆活動のほか、メルマガ「本を書こう。他では聞けないプロ達のマル秘ノウハウ」発行人を務める。その他の著書は『月曜・火曜で仕事は片づける』(こう書房)『「できる人」の生活整理術』(PHP研究所)など。ミドル英二のペンネームで楽天日記を執筆中。ホームページhttp://plaza.rakuten.co.jp/ojinkoishikawa/...

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